信頼関係を崩さずに知人や友人からお金を借りることはとても難しく、銀行や消費者金融から借りるのとは違った視点での注意が必要になります。
ここではどのようにすればトラブルになることなく、人に借りることができるのかについて、詳しくご紹介しています。
飲み会のお金が足りなくて人に借りるという経験をしたことのある人は、かなり大勢いるのではないでしょうか。
借金をしているという感覚はないかもしれませんが、このような形で友人や知人に借りるということは珍しくありません。
ところが友人や知人から改まってお金を借りるとなると、思ったよりもハードルが上がってしまいます。
返済できなかったときには、これまで築いてきた信頼関係が崩れてしまうかもしれないと思うと、なかなかお願いできませんよね。
ここでは、信頼関係を崩すことなく人に借りる方法や、トラブルにならないために注意すべき点などを詳しく解説していきます。
このページで分かること

友人や知人からお金を借りる場合は1万円以下なら借りるのは簡単ですが、それ以上になると理由によっては断られてしまう可能性があります。
とはいえ、貸してくれるかどうかの基準は金額ではなく、どれくらい困っているかという点にあります。
人に借りるときには、なぜお金が必要なのかを丁寧に説明して、誠意を持ってお願いしましょう。
お金を借りたら、借りた金額と返済期日の勘違いが起きないように簡易的なものでいいので借用書を作りましょう。
また、信頼関係を維持するためには、返済期日よりも1日でも早く返すように心掛けてください。
いくらまでなら人に借りることができるのか

友人や知人に借りる場合に気をつけたいのは、いくら借りるかという点です。
コーヒーを買うのに100円借りるというのであれば、ほとんどの人が気軽に貸してくれますが、車を買いたいから100万円貸してとお願いしても、まず間違いなく断られますよね。
でも、手術で100万円必要だというと、親しい友人ならなんとかしてくれるかもしれません。
このように大事なのは、金額とお金が必要な理由です。
そこで、ここではまずいくらなら借りることができるのか、どのような理由なら借りやすいのかをご紹介します。
友人や知人が貸してくれる金額

1万円以下 | 手持ちがあれば気軽に貸せる |
2万〜3万円 | ちょっと躊躇するけど理由によってはOK |
4万〜10万円 | 余程の理由がないど貸せない |
人に借りるときに、借りやすい金額としては1万円以下というのが、多くの人の共通認識です。
1万円以下なら、次に会ったときに返済してもらえる金額ですし、自分の生活が圧迫されるほどでもないので、負担なく貸し借りできるのは1万円以下だと覚えておきましょう。
2万から3万円となると、気軽に貸すという金額ではなくなります。
ただし、お金が必要な理由と信頼関係の深さによっては、貸してもらえない額ではありません。
4万円以上となると、ほとんどの人は断ってくるはずです。
親しい友人が本当に困っているというのであれば、なんとかして工面してくれる可能性はありますが、返済できなくなってトラブルになることも考えられます。
基本的には友人や知人から借りるなら、3万円程度までと考えておきましょう。
ただし、どうしても必要だというのであれば、きちんと理由を説明してお願いしてみましょう。
お金を借りやすい理由

お金を借りるときには、なぜ必要なのかをきちんと伝えることが大切です。
ただ「パチンコに行くお金がないから」というのでは、当然断られてしまいます。
友人や知人が貸すかどうかを判断する基準のひとつに、どれくらい困っているかという点が挙げられます。
銀行や消費者金融のローンは儲けるために貸しますが、友人や知人が貸してくれるのは儲けのためではなく、助けてあげたいから貸すわけです。
ということは、お金を借りる理由としては、困っているというのが大前提になります。
- 会社が倒産して家賃を払えない
- 大きな病気を患い手術代が必要になった
- 財布を落としてしまった
- 銀行のATMが止まっている
お金が必要になる理由の例ですが、いずれも「なんとかしてあげたい」という気持ちになりますよね。
このような不可抗力でお金が必要になるような状況ですと、比較的お金を借りやすくなります。
ただし、お金を借りたいからといって嘘の理由を捏造するのはいけません。
必ず本当の理由を伝えるようにしてください。
本当の理由を言えないのに貸してほしいというのは、その人に対して失礼なことですし、嘘をついてバレたときには信頼関係も崩れてしまいます。
きちんと本当の理由を伝えることが大事ですが、その伝えるときに「どのような想定外のことが起きたか」を伝えて「何に使うお金がいくら必要か」を丁寧に説明してください。
それだけで、相手も貸しやすくなります。
人に借りるときの注意点
人に借りるときには金融機関で借りるのとは違った難しさがあります。
思わぬ勘違いからトラブルが起きて、そこから疎遠になってしまうなんてことも考えられます。
そこで、ここではそうしたことが起きないように、人に借りるときの注意点をご紹介します。
借りたときには借用書を作る

人に借りるときは口頭でお願いして、口約束で返済日などを伝えることがよくあります。
数千円程度ならそれでもいいのですが、1万円を超えるような金額になったら借用書を作るようにしてください。
借用書といってもパソコンなどで書類作成をする必要はありません。
手元にある紙でいいので下記内容を記載しておくだけでかまいません。
- 借用書の作成日
- 相手の名前
- 「借用書」のタイトル
- 借りた金額
- 金利
- 返済期日
- 返済方法
- 借用したことが分かる一文
- 借りた日付
- 自分の名前と住所
- 押印
法的に効果のある借用書となると、これくらいの内容を記載してください。
ただ、数万円の貸し借りでここまでするのは大げさと思うかもしれません。
そういう場合には、借りた金額と返済期日をLINEなどで共有するだけでもOKです。
借用書そのものも大事ですが、お互いが借りた金額をいつまでに返すのかを共通認識しておくことがもっと重要です。
口頭で済ますと日付や金額の勘違いが発生します。
トラブルというのは、そういった些細なところから始まりますので、借りたという証拠を必ず残しておきましょう。
返済期日は必ず守る

友人や知人は人助けだと思ってお金を貸してくれます。
それに応えるには、返済期日を必ず守るようにしてください。
親しい人だから数日くらい遅れても大丈夫と考えがちですが、相手は「本当に返してもらえるかな」と多少なりとも疑心暗鬼になってしまうものです。
それが予定通り返済されなかったら、裏切られた気分になり信頼関係に傷が付きます。
たった1日であっても、約束を守らなかった事実は永遠に残りますので、必ず期日までに返済してください。
ただし、どうしても返済が難しい場合には、できるだけ早めに連絡して、いつまでなら返済できるかを伝えるようにしましょう。
また、可能であれば返済期日よりも前に完済してください。
返済日当日になると相手はとても不安な気分になります。
そういう気分にさせないためにも、返済を前倒しすることをおすすめします。
当日に返済するにしても、前日に自分から連絡をいれておきましょう。
完済するまでは派手な遊びは控える

お金を借りておきながら、飲み会に参加したり、旅行に行ったりする人がいますが、完済するまではお金のかかる派手な遊びは控えてください。
お金を貸した人がそれを知ったら、「そんなことをするために貸したわけじゃない」と不信感を抱くことになります。
バレなければいいじゃないかと思うかもしれませんが、これだけSNSが普及した時代ですから、どこで伝わってしまうか分かりません。
そもそも遊ぶお金があるなら1円でも早めに返済するというのが筋です。
付き合いでどうしても顔を出さなければいけないこともあるかと思いますが、そういう場合でも早めに切り上げて、無駄な出費をしないように心掛けてください。
利息もしくはそれ相当のお礼をする

上記の借用書への記載内容に「金利」と書きましたが、お金を借りるときには金利を付けるというのが基本的なルールです。
相手が必要ないと言うのであれば、金利ゼロでもかまいませんが、最初から金利ゼロのつもりでいるのは失礼です。
個人間での貸し借りの場合でも、利息制限法によって定められた上限金利があります。
10万円未満 | 年20% |
10万〜100万円未満 | 年18% |
100万円以上 | 年15% |
これほど高く金利を設定する必要はありませんが、あまりに低く設定すると利息が数十円になるようなこともあります。
意味のない金利にならないように気をつけましょう。
もし、相手が利息なんていらないと言ってきても、返済するときには必ず何らかの形でお礼をしましょう。
ちょっとした菓子折りをつけるのもいいですし、食事をごちそうするというのでも構いません。
できるだけ形に残らないお礼をするのがスマートで、相手にも負担になりません。
きちんと感謝の気持を言葉で伝えることも、忘れないようにしてください。
知らない人との個人間融資は利用しないこと

人に借りる方法として、最近はSNSやインターネット掲示板を利用した個人間融資を使う人が増えつつありますが、それに比例するように個人間融資でのトラブルも増加しています。
個人間融資では借りたい人や貸したい人が書き込みを行い、それを見た人が連絡をしてきて融資の交渉を行います。
銀行や消費者金融のように審査があるわけではないので、とても手軽に借りられる方法として注目されています。
ところが、実際にそこでお金を貸している人の多くが闇金業者で、違法な金利での融資を行ってきます。
それだけならまだいいのですが、闇金業者は何かと理由をつけて返済を先延ばしにして、利息という形で可能な限り搾り取ろうとしてきます。
さらに女性の場合には、利息の代わりに裸の写真を送らされたり、肉体関係を求められたりするというトラブルも発生しています。
個人間融資はこのように、犯罪の温床になっているため利用してもデメリットしかありません。
「自分だけは大丈夫」「1回だけなら問題ない」と思ってトラブルに巻き込まれる人が続出していますので、知らない人との個人間融資は絶対に行わないでください。
まとめ:人に借りるのは大切なものを失うリスクがある

友人や知人なら審査もなく信頼関係だけでお金を貸してもらえます。
ただし、気軽に借りられるのは1万円程度が限度であり、それ以上を借りるとなるときちんとした理由がないと、断られてしまう可能性が高くなります。
人に借りるときには必ず理由を伝えるように心掛け、そして後からトラブルにならないようにするためにも、簡易的なもので構わないので証拠としての借用書やLINEメッセージなどを残すようにしましょう。
そして必ず返済期日までに返すことです。
相手は信頼して貸してくれているわけですから、それに応えるためにも、予定よりも早めの完済を目指しましょう。
返済をいい加減に考えていると、相手に不信感を与えてしまい、そこから縁遠くなることもあります。
知り合いから借りるというのは、常にそのリスクをともないます。
返せるアテがない場合には借りないようにして、どうしてもお願いするしかないときには、相手の負担にならないように心がけてください。